ヴェニスの商人

ヴェニスの商人


ヴェニスの商人


シェイクスピアのお馴染み戯曲「ヴェニスの商人」。

話はおぼろげながら知ってたけど、細かいところは知らなかったので、見てみましたよ。

キャストがなにげに豪華です。

ユダヤ人の金貸しシャイロックにアル・パチーノ

商人アントーニオをジェレミー・アイアンズ

放蕩貴族バサーニオにジョセフ・ファインズ

監督は、「イル・ポスティーノ」のマイケル・ラドフォード。

映像もしっとりときれいです。

ヴェニスの商人」って強欲な金貸しの無茶な要求を

機転を利かせて切り抜ける痛快喜劇だと思ってたんすけど、

この映画はものすごく重苦しい雰囲気で、ほとんど悲劇。

シャイロックがかわいそすぎる。

対するバサーニオらの目に余るやりたい放題が反吐が出るほど気分悪いんすよ。

こいつらなんやろなあと。

金持ってる権力者が、たてついてきた虫けらを叩き潰しただけってかんじなので、

アントーニオがピンチを切り抜けても、爽快さがまったくない。

後味悪いわ~、まったく。

まずバサーニオってアホなのかと。

金を使って放蕩三昧。

借金まみれで、そろそろやばいぞとなると、

莫大な遺産を相続して婿探ししてるポーシャの噂を聞きつけ、

よっしゃ、こいつと結婚して借金チャラにして、

むしろプラスだぜ計画を親友のアントーニオに持ちかける。

なんでもちかけるかというと、

求婚するのに文無しじゃかっこつかないから、金貸してくれと。

この時点で、こいつはなんだと気分が悪くなる。

すでにアントーニオからは借金しまくりなのです。

おれが結婚できたら、おまえから借りた金も返せるんだけどねえとにおわせる。

バサーニオってどっからどうみても悪党です。

商人のアントーニオは全財産を船にぶっこんで手持ちの現金がまったくない。

数ヵ月後、積荷を満載した船が戻ってきたら金がざっくざっくなのだが、

それでは、遺産持ちの女を落とすのに間に合わないってことで、

金貸しのシャイロックから金を借りてはどうかと提案。

おれが保証人になって担保だすからと。

いくら親友といっても、なんでそこまでできるのかというと、

こいつらホモ達だからです。

アントーニオは完全にガチでゲイ。

バサーニオは、アントーニオの金目当てでゲイのふりしてるバイだな。

アントーニオから金を引き出すために、ケツを貸してたんだろバサーニオは。

求婚相手のポーシャってのもくわせものだな。

金はいくらでもあるのざます、オホホホホみたいないけすかねえ野郎です。

金も時間も腐るほどある。

他にやることないから、恋愛に全力投球ですみたいな貴族そのものな思考の持ち主。

男装して、法学者に化けてシャイロックの裁判に裁判官としてもぐりこむのも、

恋愛プレイの一環でしかない。

わたしには若さと学ぶだけの知性があるとかなんとか。

こんな女や男をこまして金をひっぱることしか考えてない男の求婚をうけといて、

分別もなにもないもんですよ。

バサーニオを取り合うアントーニオより優位に立つためだけに、

シャイロックの運命をもて遊ぶ。

バサーニオ、わたしの機転で大事な親友アントーニオは助かったのよ、

そこんとこ恩にきて一生忘れないでねってなもんですよ。

うわー、性格悪いわ。

金持ってるだけの頭のゆるいお姉ちゃんです。

まあ、こういうキリスト教側の人間が人でなしろくでなし揃いなのに対して、

ユダヤ人のシャイロックは、普通に真人間に見えます。

まあ、そういう風に描いてあるから当然といえば当然なのだが。

担保に心臓近くの肉を1ポンドとか、まったく得にもならない契約をしたのにはわけがある。

それまでのキリスト教徒のユダヤ教徒への迫害の恨みがそうさせてる。

生活を制限されたり、犬並みに蔑まれてつばを吐きかけられたり、

尊厳を傷つけられてきた恨みでね、こんな馬鹿げた契約をして裁判も起こすんすよ。

怨みは買うもんじゃないよなあ。

この話はさあ、やりすぎなんだよ。

支配者側のキリスト教徒がさ。

肉を切りとってもよいが、一滴の血も流さずだというところまではいい。

そこで手打ちにするべきなんだよ。

シャイロックに借りた金の倍返してやっておしまいにしとけばいいのに、

もう立ち直れないところまで叩きのめすのはなんでなのか。

金はやらないどころか、理由はどうあれ殺人をおかそうとした罪により、

財産の半分はアントーニオに、もう半分は国に没収。

さらに死刑になるところだが、許しを請えば慈悲を与えるぞという理不尽さ。

このシーンは、ほんと気分が悪くなった。

アントーニオが、ちょっとまってくださいっていうからさあ、

シャイロックを許してやるのかと思ったら、キリスト教徒に改宗して財産は、

逃げた娘夫婦にやることとか言っちゃうの。

なんちゅう偽善。

茶番もいいとこだよ、まったく。

あんたらやりたい放題ですかみたいな。

ヴェニスの商人」を権力者の横暴の犠牲になったシャイロックの悲劇として描いた今作。

陽気なコメディラブストーリーとして映像化したものもあるんすかね。

本来、シャイロックは友情や愛を阻む障害の象徴としてでてくるキャラクターでしかない。

本筋はアントーニオとバサーニオの友情、バサーニオとポーシャの恋愛のほう。

ベニスの商人とはアントーニオのことだしね。

ま、シェイクスピアの戯曲を読んだことないんですけどね。

市村正親、藤原竜也で舞台化された「ヴェニスの商人」では、どんな解釈がされてたんかねえ。

サントラ:The Merchant of Venice

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