
宇宙人東京に現わる

岡本太郎

なんだよお、これはよお。
DVDジャケットの写真では赤色だけど、実物はモスグリーンみたいな寒色系です。
大真面目な映画なのだけど、今見るとコントにしか見えないね。
まあ、話はすごくシリアスなんすけどね。
原水爆の使い方を誤ってはいけないという警告と、
地球に惑星Rが飛んできて、このままでは地球人滅亡の危機であることを知らせに、
宇宙はるばる来てくれたのが、
ヒトデの真ん中に目がついたラブリーデザインなパイラ人。
パイラからやってきたパイラ人です。
デザインしたのは爆発でおなじみの岡本太郎
地球とは比べようもなく技術が発達した高度な知性を持った宇宙人。
なんせ地球の天文台からはまったく見えないぐらい遠いとこにパイラ星ってあるんだよ。
でも、パイラの天文台からは地球が見える。
技術が数世代、地球より進んでるからね。
で、地球の危機に気がついてはるばるやってきてくれたはいいのだが、
見た目がヒトデのバケモノでしょ。
地球人がびびりまくりで、話をするどころじゃないわけ。
どうしたものかと会議するパイラ人。
ここがこの映画のおもしろさピークのところです。
あとすっごくつまんない。
ヒトデが集まってミーティング。
地球人が我々を見たときの反応は、醜悪なものを見たときの反応と同じなのです。
なに?では地球人は相当美しい種族なのかね。
いえ。そういうわけでは。
これが地球人の姿です、と一枚の写真がひらひら。
人気ダンサー青空ひかりの写真を見てリーダーが一言。
うげ~、これが地球人?なんと醜いのだ。
顔の真ん中にでっぱりなんかあるではないかと。
ヒトデに言われたくもないような気がするが、
そうだなあ、所変われば美醜の価値観なんかまったく違うもんだろなと。
まあ、そいで勇気あるパイラ人が地球人に化けて地球に潜入。
原子力や水爆の危険を説く。
パイラ人いい人なんすね。
見た目はコケティッシュなヒトデのバケモノですけど。
パイラ~、パイラ~、パイラ~。
ヤッホー。
パイラ人が潜入して、地球に危機が迫ってることを知らせたとこまではまあいいんすけど、
そっからが間延びしすぎ。
パイラ人は、突然姿を消してしまう。
惑星Rが迫ってきて、地球の上は大水やら地割れやらでてんやわんや。
地下に避難して右往左往する人たち。
その描写が長すぎるんすよねえ。
核ミサイルを撃ち込んでも破壊できなかった惑星Rを壊せるのは、
原子力を超える破壊力を持つエネルギー、ウリュウムだけなのな。
ある博士がその公式を編み出したらしいのだが、
その公式を売ってもうけてやろうという武器商人にとらわれてしまうわけ。
ロープでぐるぐる。
地球滅亡まであと少しって万事休すかというときに、パイラ人がのこのこ現れて、
博士には指環型発信機をつけているので、
場所はすぐ分かりますつって博士を助けて、
博士から公式を聞いてウリュウム爆弾を速攻で製造。
どうやって製造したのかはわからない。
惑星Rにぶち込んで、Rは消滅。
地球の危機は去ったのだった。
おーい、もっと早く出て来てよパイラちゃん。
ぎりぎりまで何してたあ?
盛り上がんないなあ、まったく。
宇宙軒でいっぱいやって帰ろ。
現代の東京にパイラ人が現れたら、新しいゆるキャラとして人気者になるんじゃなかろうか。
「宇宙人東京に現わる」

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