『ヤング・アダルト・ニューヨーク』を観たんだ【映画】ノア・バームバック監督、ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライヴァー出演のコメディドラマ



若いときの身軽な自分をもう一度。

40歳こえてくると、

先にあれこれ結果を想像して、

やっても意味ないなとか思ってなんもしなかったり、

代り映えのしない仕事に家族に友人に

どっぷりつかって停滞感を感じたり、

過程にこだわりすぎて結果を先送りしたりと

若いときの自分はこんなじゃなかったのになあって

思うことが増えてきます。

先日、学生時代の知人と食事する機会があったんすけど、

見事に老害ジジイ化しててびっくりしました。

話題が病気と病院の愚痴、家族と親戚の愚痴、若者にたいする愚痴の3つ。

これしかないんすよ。

おもろい話ひとつもない。

あれ?学生時代こんなつまらんやつだったっけ?みたいな。

今の若い奴は恵まれてるとか言い出して、

内心笑ってしまった。

年取ってくると若い世代は甘いとか

恵まれてるとか言い出すのってほんとなんすね。

若いときに、若いやつは戦争も知らんから恵まれてるとか、

高度成長期の寝ずに働いた苦労を知らんから甘いとか

バブル時代の遊びを知らんからダメとか

時代ごとの老害ジジイがなんか言ってたのを

何言ってんだよって思ってたのが

もう、自分たちの世代も老害側になってるという衝撃。

今の老害ジジイは俺らのときは就職氷河期で大変で

インターネットも発達してなくてスマホもなくて

今の若いやつは恵まれてるとか言ってそう。

あれ?若いときってもっと後先考えずに

自由に適当にやってたはずなんだけどなあみたいな。

この映画の主人公のベン・スティラーは

そんな中年の危機の時期の男。

新作の映画は素材だけ増えて編集もうまくいかず

未完成のまま何年もたっている。

嫁はナオミ・ワッツ。

ナオミ・ワッツもそうです。

子供ほしくて妊娠したけど2度流産して

でも子供欲しいなあ、友人の子育て見てて

思うけど無理なのかなあみたいな。

中年の停滞感をむかえたベン・スティラー夫婦。

彼らに近づいてきて仲良くなっていく若いカップルを

アダム・ドライバーとアマンダ・サイフリッドがやってます。

ベン・スティラーはドキュメンタリー映画の監督で、

ナオミ・ワッツのお父さんがドキュメンタリー映画界の

巨匠といわれる監督なんすよ。

アダム・ドライバーはあなたのあれ観ました大ファンです、

僕もドキュメンタリー映画作ってるんすよって

ベン・スティラーに声かけてきて

そっからカップルぐるみの付き合いが始まる。

ベン・スティラーにはアダム・ドライバーが非常に魅力的な青年に見える。

身軽になんでもやってみようって動いて

インターネットをやらずに、

小さなブラウン管テレビでビデオで映画をみたり

レコードで音楽を聴いたり

自転車であちこちいったり

アナログな生活してて

まるで俺の若いときみたいだ、彼と一緒にいると

俺自身も若いときの自由を取り戻したようだって

彼との付き合いにはまっていく。

ナオミ・ワッツのほうもアマンダ・サイフリッドと気が合って

なんにも気取らず話せる友人になっていく。

ヒップホップダンスとかやってみたりするわけ。

ナオミ・ワッツのヒップホップダンスシーンは笑えます。

若いアダム・ドライバーたちに心酔していくベン・スティラーたち。

変な儀式にも参加したりするんすよ。

70年代とかに流行ってそうな変なスピリチュアル儀式。

白い装束着て、よくわからない幻覚剤みたいなのを飲んで

ゲーゲーゲロ吐きながらトリップするという。

それでアダム・ドライバーの映画に

ベン・スティラー夫婦は全面協力するわけ。

フェイスブックを始めて、そこに最初にコンタクトしてきた

昔の知り合いに実際に会いに行くのを

ドキュメンタリー映画にしようっていう企画。

それで実際に会いに行って単なる昔を懐かしむだけの話で

終わるかと思いきや、

ベン・スティラーが検索したら

そいつは軍人でアフガンで悲しい出来事を体験してて

みたいなドキュメンタリー映画としてものすごくおいしい話が

見つかってこりゃすごい作品になるぞと。

ナオミ・ワッツがプロデュースをすることになるし、

ナオミ・ワッツの父親とも接触して

あれこれアドバイスをもらったり

アダム・ドライバーはどんどんうまくいく。

逆にベン・スティラーはなんだか調子悪くなっていく。

まあ、アダム・ドライバーはなりあがるために

偶然を装ってベン・スティラーに近づいて

利用してただけなんすね。

ベン・スティラー経由でナオミ・ワッツの父親とコネを作ったり

資金提供者とのつながりを作るという目論見で

綿密な計算のもと行動してた。

男ひとりで声を声をかけるより、

カップルで声かけたほうが警戒心がなくなるので

アマンダ・サイフリッドと結婚してるみたいな。

なんにも野心も独占欲もないような青年を演じることで

ベン・スティラーに気に入られる。

偶然会いにいったやつが軍人で暗い過去があって

それをベン・スティラーが発見するというのも

アダム・ドライバーの誘導による演出だった。

それを知ったベン・スティラーはだまされたと激怒して

怒鳴りこんでみんなにこいつはペテン師だと告発するんすよ。

こんなの嘘っぱちだ、ドキュメンタリーでもなんでもないって。

でも、そんなことは主題とは関係ない些細なことで

問題ないといわれてしまう。

事実の時系列をいじっただけで、

なかったことをあったように描いてるわけじゃないからと。

ベン・スティラーしょぼーんです。

俺はいったい今まで何をやってたんだろと。

過程にこだわるあまりに、成し遂げたい結果を見失ってた。

映画を完成させて世に出すことが目的だったのに、

あれもこれも描かないと、あれもこれも足りないと

作業する過程が目的になってたから完成しない。

アダム・ドライバーは、自分の映画を作って

世に出るという目的の手段としてベン・スティラーたちと

つきあって取り入るというのをやってて

こっちのほうが純粋なんすよねえ。

停滞の原因は手段を目的にしちゃって

過程を結果より重要視してたからって気がつく。

ドキュメンタリー映画はドキュメンタリーじゃないってことですね。

それがわかったベン・スティラー、ナオミ・ワッツは

子供が欲しいけどできないなら

養子をもらえばいいじゃないってことで

ハイチかどっかにいって赤ん坊をもらうっていうラストです。

このラストにはけっこう抵抗あるんすけど、

子供欲しいからって金で買うんすかみたいな。

でも、子供を迎えたいというのが目的なら

実子でも養子でも過程は些末なことなんじゃないのっていうね。

それもわかりますね。

私たちはあまりにも結果よりも過程が大事という価値観に毒されてる。

ほんとにそうなのかっていうね。

ほんとは過程じゃなくて結果なんじゃないの、大事なのはみたいな。

年取ってジジイやババアになっても

若者におかしな説教する老害にはなりたくないもんですね。

身軽でいたい。

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