『夜の女たち』を観たんだ【映画】溝口健二監督、田中絹代主演、終戦直後の荒廃した大阪を舞台に女たちの生き様を描いたドラマ



男たちに食い物にされる女たち。

戦後すぐの焼け野原の大阪が舞台になってます。

主人公は田中絹代。

夫は戦死、赤ん坊の息子は病死。

社長秘書ということで養ってくれる男を頼るのだが

妹に手を出す男に幻滅。

こうなりゃパンパンになって

男に病気うつしまくって復讐したるわいと

荒れた生活に身を落とす田中絹代です。

世の中が荒れて大変なとき

真っ先に犠牲になるのが女子供ってわけですね。

頼りになる男がいない。

頼りになると思った男も弱みにつけこんでるだけ。

頼れる金もコネもないならば、

パンパンでもして体を売りもんにするしかないわみたいな。

しこしこ働いてもその日食うのがやっと。

パンパンしたら、それよりもまし。

だったらやるしかないみたいな。

うーん、なんか戦後の話なんすけど、

今の日本もそういう雰囲気になってるような。

真面目にコツコツやってもお先真っ暗なんだから、

今のうちに楽しんで無茶苦茶でもなんでも

やったもん勝ちやでみたいな空気ないすかね。

映画の中にでてくる家出少女のシーンがえげつない。

真面目にやってても仕方ないから

わたし家出して自由に楽しむんやっていう少女が

さっそくそういう女を食い物にしてる男にひっかかる。

人の好さそうな好青年風の男に家につれこまれて

酒を無理やり飲まされて正体不明になったところを

犯されてお金もとられてポイと捨てられる。

捨てられた少女にパンパン女たちが群がってきて

みぐるみはがしてヤキをいれまくる。

自由を謳歌しようと家出した少女だが、

あっとういうまにすべて奪われて半裸で放り出される。

お前もパンパン仲間になったら面倒みたるぞということで

パンパンの仲間になる。

怖い。

真面目をバカにして、

享楽的に今を楽しむ生き方を誉めてしまいがちだけど、

自由な世界とはこういう面もあるということを

忘れちゃいけないっすね。

自分がカモになってしまうことを忘れがちというか。

田中絹代もやけをおこして

男全体に復讐したるって感じなんすけど

君の復讐で結果、勝ったのかい?って聞かれてなんも言えない。

そうなんすよねえ。

田中絹代が自分を傷つけてあれた生き方しても

勝ちはない。

どうなったら復讐成功なのかっていうのがないわけで。

真っ当にやるのがどんなに苦しくて、

どんなに馬鹿らしいことであっても

そうする以外にないわけで。

年金破綻で政府はうそつきで税金があがってどうのこうのって

いろいろ理不尽なことがあったからといって

自暴自棄になって無茶やって

自分を傷つけて生きる理由にはならない。

それに気が付いた田中絹代が最後にパンパンやめることにするので

救いはあるけど、けっこう暗い話でしたね。

戦後の焼け野原のどさくさでなんでもありな時代と

今の日本がそう変わらないような気がするっていうのが

なんか泣けるというか笑えるというか。

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