『いつまでも若いと思うなよ/橋本治』を読んだんだ【読書】



最初のほうはあんまりおもしろくないなって感じでしたけど、

借金と病気の話になって、

これは面白いってなりました。

最初は老いとは何かみたいな話です。

若いときに老いをどう思っていたか、

老い始めてどう感じたかみたいな話。

老いは他人事。

老いは治らない。

背広は老いのアクを吸収してくれる万能服。

なるほどなあみたいな老いについての話に

なんかつまんないなと思い出したけど

そのまま読んでいくとなぜか借金の話になります。

これが面白い。

バブル崩壊前に1憶八千万円でマンションの部屋を買う。

それでローンを組んで毎月150万円ぐらいを返済していく

ことになったらしいです。

え~?みたいな。

それで2000万円ぐらいすぐ返済しちゃうんすけど、

今度は親が実家を建て直すとかいって

それでまた月150万円返済生活になっちゃうとか。

なんか年収1億円以上稼いでたみたいで、

無茶な借金も返せてたっていうのがすごいです。

作家って儲かるんだなあ。

なんでたいして良くもない欲しくもないマンションの部屋を

そんな大金で買ったのかというと

貧乏になるためっていう理由もなんか

作家の変な屁理屈みたいでおもしろいです。

なんかヤケおこしてるような

錯乱してるような文章がおもしろい。

隣の部屋のやつが9000万で買ったときいて

勝ったと思ったとか、よくわからなくてなんかやばい。

それから病気の話。

これもまた面白いんだ。

マンションの管理組合の理事なんかやって

ストレスたまったせいなのか体を壊して入院。

血管炎で病院のベッドで寝る生活になっても

小説の連載はあるし、借金の返済もあるしみたいな。

二か月たって退院しようと思ったら今度はカリニ肺炎。

そんなハードなことが起きる中で

老いとはこういうことか、

老人になるとはこういうことかと

思うことがつづられていてそれが面白いです。

まあ、老いとか関係なく借金と病気の話がおもしろいだけなんすけどね。

マンション管理組合の理事やって

仕事がどんどん増えて

ストレスどんどんたまっていくんだけど、

仕事を断れなくなって

なんでもかんでも引き受けてしまう状況になってたらしいです。

なんで断らないのかというと、

無理な状況に慣れすぎて、できませんと言えなくなってた。

当然、仕事が増えるとストレスも増えて体を壊すと。

ブラック企業で過労死がおきると

なんで仕事を断らないのか、さっさと辞めたらいいのにっていう

話が必ずでてくるけど、ストレスが過度にかかった状態になると

判断ができる余裕がないので、

体が壊れるまでできませんって言えなくなっちゃうんすね。

怖いなあ。

そんなこんなで老いることをうまく受け入れるっていうのは難しい。

自分もそうなんだけど、

いい歳したおっさんで歳食ってるのに、

どうしても自分を年寄だと思えない。

いつまでも若い気でいる。

これはいったいなんでなのかと思ってたんすけど、

この本には、若いという尺度でしか物事をはかれないから

そうなるって書いてあってなるほどですねって感じでした。

若いときに人格形成されるから

物差しが「若い」しかない。

「老い」のものさしがない。

だから若い、まだ若い、もうそんなに若くない、もう若くないを経て

いきなり老人だになっちゃうみたいな。

年取るって大変だなあ。

体の衰えで病気するのはもちろん、

老いということを頭がうまく慣れていけるかどうかも不安ですね。

いやー、一番怖いのはやっぱローンだなあ。

よく35年ローンで家買ったとか、

車を500万円ぐらいローン組んで買ったとか

そういう話を当たり前に聞くけど、

どうやって返済しているのか不思議でしょうがない。

もしかして貧乏なのは俺だけで、

世間様は毎月何十万円を何十年も簡単に返せるほど

みんな稼いでいるっていうことなのかな。

年収1000万円以上ぐらいあるのが普通なのかなあ?

右肩下がりの不況日本経済とか嘘なのかな。

貧乏で老化してみすぼらしくなっていってるの

自分だけで、実は世間の皆様は裕福なのかもなあって思っちゃう。

こういう世間とのズレを何かにつけて

感じるというのも老いなんすかねえ。


いつまでも若いと思うなよ (新潮新書) [ 橋本 治 ]

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