『犬ヶ島』を観たんだ【映画】愛犬を捜して犬たちが隔離された島に乗り込んだ少年が島の犬たちとともに巨大な陰謀に立ち向かうファンタジーアドベンチャー



なんか怖い。

見た目はファンシーなコマ撮りアニメーションなんすよ。

大昔にNHK教育テレビでやってた人形劇みたいで

なんか懐かしい感じがするほのぼの映像です。

まあ、人形劇というレベルじゃない作りこみが

すごい画面で、一度見ただけでは

すべての情報を処理できないぐらい

細部にあれこれこだわってる映像ですけどね。

よくできてたなあ。

いちいち一時停止してすみずみまで

じっくり見てみたいような

美しくデザインされた画面でしたねえ。

動画としてより静止画としての完成度が高い映像だなあ。

映像はそんな感じなんすけど、

お話がめちゃくちゃなんか怖いんすよ。

日本の昔話を下敷きにしてる話で

「桃太郎」の鬼ヶ島での鬼退治が元みたいな話なんすよ。

勧善懲悪なんすけど、

権力者がある種族の殲滅をもくろむが失敗する

っていう話なんすよ。

猫派の市長が犬の抹殺をもくろんで

ウィルスで犬を病気にして

病気だから犬をゴミ島に隔離するという政策を

民衆の支持をとりつけて実行し

島に犬を集めたところで

毒で全部殺すという計画をたてた。

それがいいとこまで成功するんすけど、

市長の養子の少年が島おくりにされたボディーガード犬を探して

単身島に潜入。

島に捨てられた犬たちと共闘して市長の陰謀をあばくっていう話です。

桃太郎が犬サルキジを仲間に悪い鬼を退治するっていうのと

同じようなことなんすけど、

なんかえぐいっすね。

犬という種を抹殺するために収容所おくりっていうのは

なんかナチスを連想する。

まあ、犬は病気だから仕方ないかって感じで

飼い犬を素直にゴミ島に捨てる飼い主たち。

犬の病気を治療できる博士は軟禁されて暗殺されちゃう。

市長による情報統制に対抗してたちあがる若者ジャーナリストたち。

いろいろあって少年が勝利し

権力の座について犬優遇の政策を推進していきそうな結末は

それはそれで狂ってる感じがするしで

なんかすごいダークなお話だった。

なんか人形劇だからハードにやりまっせという感覚は

「チーム☆アメリカ/ワールドポリス」と似てるような。

あれもえぐかったけどなあ。

それとかヘンリー・ダーガーの「非現実の王国で」に近い狂気を感じる。

まあ、ダーガーは自分だけの楽しみで書いてたものを

死後に勝手に全世界に公開されて災難だったけど

ウェス・アンダーソン監督はこれ見てくれよって

思って作ってるんだからさらに上をいってるような気がする。

俺の思う一番いけてる日本をみんな見てくれみたいな。

俺の考えたかっこいい日本はこれだみたいな。

その熱量のすごさね。

いやー、普通、映画作るっていって

人形劇で日本のテイスト満載でファンタジーみたいなのをやるっていう企画を聞いたら

なんでそんなもの作るの?映画で?ってなるけど

それをここまで作りこんだ映像で作っちゃうんだから

それはもはや狂気といっていい。

日本風な感じはかなりよくできてたんじゃないすかね。

少年の日本語がよく聞き取れないとか

俳句、なに言ってるか意味わかんないっすとか

謎な日本もあったけど、なんか日本だなあっていう感じはしました。

よく西洋映画で日本描写がでてくると

そんなの日本じゃない、中国とまじってる、

時代がおかしいとかいう人もいるんだけど

よくよく考えたら、

身の回りの風景は漢字と英語とニセ英語がいりまじり

古臭い汚いものと新しい最新のものが平気に並列されてたりするわけで。

奇妙な風景なんすよ、じっくり見ると。

だから西洋人が思い浮かべる日本らしさは

変に見えたりするけども、

じつはそんなに変でもないんじゃないかと思ったりするわけです。

そりゃあ、太鼓どんどこどんどこたたいて

相撲取りがでてきてとか

変だと思うけど、そういうテイストがまったく間違いなのかというと

そうでもないみたいな。

ウェス・アンダーソンの狂気がここまできたかって感じの映画だったなあ。

これまで実物の人間を使って人形劇みたいな映画を

作ってたのが、本格的に人形使って人形劇やり始めた。

犬ヶ島予告編

犬ヶ島【Blu-ray】 [ ブライアン・クランストン ]

関連する商品

この記事へのコメント