『黒い河』を見たんだ【映画】





貧乏って嫌だなあ。

嫌でも貧乏から抜け出せない。

なおさら嫌になる。

モノクロの映画。

戦後の庶民ドラマ。

ボロい長屋に住む住人。

愚連隊の仲代達矢。

彼らの暮らしぶりを描きながら、

長屋の立退き問題や

学生の渡辺文雄の恋問題のドラマをやる。

前半はけっこう好きな感じです。

貧乏学生の渡辺文雄が長屋の部屋を借りる。

大家は山田五十鈴で

ガチャ歯の入れ歯しててものすごく

ブサイクで金にがめつそうな演技してておもしろい。

渡辺文雄は家賃を節約しようと

安いボロアパートに引っ越すわけ。

ボロい長屋だけあって

住人も家賃をためてるようなやつらばかり。

共産党員の在日のおじさんが

何かというととりまとめ役で住人に団結を

呼びかけたりまめに真面目に動き回るのが

笑える。

夢も希望もなく

その日暮らしを怠惰にやってる他の住人と

真逆でその対比がいいっすね。

仲代達矢は近所で愚連隊やってんの。

まあ、チンピラですね。

グラサンしておしゃれな首巻きとかして

ちょっと小粋なちょいワル男って感じっすねえ。

大家が長屋を売ることになって

仲代達矢が住人の立退きを請け負う。

その話と

あとは仲代達矢と有馬稲子と渡辺文雄の恋の三角関係の話。

その2つが大きなドラマとしてある。

なんすけど、どっちも中途半端な感じで

おもしろく展開していかない。

お話としておもしろくならない。

話はおもしろくないけども

長屋の住人の暮らしぶりの描写は

おもしろいのでそれなりに楽しめたなあ。

貧乏の図々しさ、

貧乏の厚かましさ、

貧乏のやるせなさ。

貧しいとはこういうことだみたいな。

そういうとこは楽しくはないけどおもしろかったね。

恋のトライアングルはもうちょいなんとか

盛り上げてほしかったんすけどねえ。

ルール無用で好きなものは

力ずくでぶんどる仲代達矢。

学生で社会に出てないからなのか、

目の前の世間から距離をとって

馴染もうとしない渡辺文雄。

汚れた野獣と

無垢な子犬の間で揺れ動く乙女心みたいな。

有馬稲子は仲代達矢に強引に奪われて

責任とって結婚してくれとか言うような

古風な女なんすけど、

どっちを選ぶのか選ばないのか

うーむ、はっきりとしないまんま

最後までふらふらとします。

最後は仲代達矢を始末するという手段にでるのだが

そういう決着のつけかたになる

気持ちの動きがよくわからなかったんす。

だからあんまりドラマティックに感じないラストだった。

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