『龍三と七人の子分たち』を観た【映画】元ヤクザ老人VS.現役ヤクザ、北野武監督による任侠コメディ




龍三と七人の子分たち

どうなんだろなあ、これは。

どうも話がうろうろしすぎで

まどろっこしいというかかったるいというか。

結末はわかってて、

そこに行くまでうろうろするのが北野映画なんだけど

コメディテイストでそれやられるときついっすね。

オチがわかってるのにうろうろされると

笑いにならないから。

この映画でいえば、ジジイたちと若いヤクザたちが激突するのが

結末だとわかってるのに、

そこになかなかいかないから

なんだかまどろっこしい。

役者は最高によかったなあ。

藤竜也はほんとよかった。

子分たちもそれぞれいい味出てたし。

お爺ちゃん役者たちは最高。

中尾彬のああいう使い方は、

その手があったか!って感じです。

ハナ肇の銅像コントにならぶ、

中尾彬の死体コントの誕生だ。

残念なのはやっぱり話の展開が練られてないとこっすね。

大きな流れとして、

引退して老後を過ごしている元ヤクザたちが

今のヤクザたちが気に入らねえということで

組を再結成して今の若いヤクザをやっつけるというのがあるんだけど、

なんかね、すっきり進まないのだ話が。

今のヤクザは仁義も何もなくてひでえやつらだ

というのを知るきっかけとして

藤竜也がオレオレ詐欺に引っかかるというくだりがあるのだが、

引っかからないのです。

あれはどうなんだろ。

あそこは引っかかって、

こんな人の情につけ込む詐欺をする奴らは

許せねえとなって昔の仲間を集めるきっかけになるのが

簡潔ですっきりする展開だと思うのだが

引っかからない。

他の詐欺でもジジイがうわてで引っかからない。

浄水器や羽毛布団を押しかけセールスする年寄りを狙った詐欺。

ジジイが狂ってるので

詐欺犯側が逃げていく。

なのでなかなか現代ヤクザと戦うという構図にならない。

うろうろ話が迷子になってるみたいで

コントシーンが何個か続くのだが、

停滞感がすごいのでなかなか入り込めない。

コントも編集でうまくテンポよくいくつも見せていくのなら

いいのだが、ひとつひとつがだらだらと長い。

ジジイに邪魔される現代ヤクザの側も

ジジイを本気で潰そうとなかなか動かない。

ジジイと若いやつらがなかなかぶつからないので

そこがなあ。

藤竜也らジジイのおもしろい顔や演技で

なんとか間が持ってるんだけど

やっぱりもったいないっすよねえ。

大筋のストーリーが進んでいくなかで

ジジイたちのおもしろコントが展開していくほうが

もっとおもしろくなると思う。

最後は激突するのだが、

雑な描き方なんすよ。

孫の清水富美加を拐う計画を知った中尾彬が

一人でラーメンの出前に化けて乗り込んで殺される。

これがきっかけとなって殴りこみ開始なのだが

遅いよ!

もう映画終わっちゃうよ。

ここにいくまで何時間使ってんだよ。

これは散々ギャグでふざけといて

最後でやっとドンパチが始まるという笑いなのだろうか。

これでやっと抗争が始まってバスで暴走とかやるんだけど、

現代ヤクザ弱すぎなんすけど。

いや、中尾彬を簡単に殺したりとかしてるので

怖い奴らのはずなのだが、

藤竜也たちのキャラが濃すぎて

安田顕らの存在感が薄すぎて

相手になってないんだよなあ。

北野武の脚本家としての技量がどうなのかって思っちゃうなあ。

お笑いの人はコントとか書くから

ドラマ作りもできるだろって思いがちだけど

映画とコントじゃまったく違うのかな。

お笑いは瞬発力勝負で短期の戦いだけど、

映画は長い流れを組み立てる技術がいるわけで

お笑い芸人の人が映画作っても

あんまりおもしろくならないのは

やっぱまったく違う資質が求められるからなんだろか。

世界の巨匠キタノに脚本がいまいちだよとか

ただの人が言えちゃうのが映画。


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