青春の殺人者

青春の殺人者

青春の殺人者

こりゃまたすごいの見ちゃったね。

太陽を盗んだ男」の長谷川和彦監督のデビュー作。

長谷川和彦って2本しか映画撮ってないんすね。

特典映像のインタビュー見たけど、監督まだ若いし気力十分に見えたな。

こんな長い間、映画撮ってないのが不思議だね。

まあ、内容は親殺し。

水谷豊が主人公。

水谷豊は、今スナックやってるんすね。

というか親からやらないかっていわれてやってるんすけど、

ひねくれて精神がてんぱりぎみなわけです。

それまでに何回も親に翻弄されてるわけ。

親はこれいいぞって与えてくるんだけど、それに水谷豊が熱中してくると、

やっぱりだめだといって強引に取り上げる。

こういうのを繰りかえしてやってきたわけ。

甘いんだか厳しいんだか、まあ一番残酷な仕打ちのような気がするね。

大学受験も直前で、大学に行ったらろくな人間にならないとかいって、願書を出さない。

水谷豊はたまったもんじゃない。

今度はスナック。

それに女まで世話してきたわけ。

この女が、島崎和歌子みたいで誰だと思ったら原田美枝子の若いときだった。

全然、こんなイメージなかったなあ。

金切り声で、順ちゃん順ちゃん言ってる元気な女の子。

めちゃおっぱいでかい。

水谷豊が吸い付いて、口を離したらプルルンッとなるぐらいの巨乳ちゃん。

ミセスな原田美枝子しか知らんかったから、けっこう衝撃的な役柄だなあ。

こんな若いときから女優やってたんすねえ。

まあ、それで原田美枝子と水谷豊がくっつくように仕向けといて、

今度は別れろといってくるわけです。

興信所で調べたらあの女はろくな女じゃないのが分かったからつって。

そこで水谷豊がぷっつんしちゃって親父を刺すと。

次は、そこに帰ってきた母、市原悦子を殺ることになるわけだが、

ここのやり取りがものすごく長い。

ここが凄い。

親父の死体を前に、あーでもないこーでもないとやりあう母子。

死体を処理して、工場も売り払ってどっか知らない土地に行って二人で暮らそうとか、なんとか。

話がおさまってまとまったかのような雰囲気になったりもするんだけど、

いや嘘ついてる、わたしを殺してあの女と逃げる気だろうとか、

また話が熱を帯びてきて、もう最後はスプラッターホラーみたいな感じになっちゃうんすよ。

スリップ姿の市原悦子と水谷豊が殺し合い。

シーツの隙間から包丁が飛び出してくるとこなんか、シャイニングのジャック・ニコルソンみたいだったぞ、市原悦子。

血もねっとりと描かれてますわ。

そっから水谷と原田二人のあてのない逃避行でも始まるのかと思ったんですけど、

二人で遠くに行ったりはしないんすね。

若者にはどこにも行き場はないってかんじでね。

最後はスナックをファイアーして水谷一人がトラックの荷台に乗ってどっかいく。

どこにも行き場がないっていう閉塞感っていうんですかねえ。

そういうのが充満しとります。

うーむ、面白い。

ATGは面白いの多いね。

今見るから面白いのか、公開当時から面白かったのか、それはわからんけど、

70年代の映画はパワーがすごい。

俳優も製作者も後先考えずに、

とにかく目の前にある作品をものにしようという意気込みだけで突っ走ってるっていうか、

まあホットなんすねえ、熱い。

だから今見てもなんかパワーがあるんだろうなと思うわけです。

ああ、音楽はゴダイゴです。

水谷豊が雨の中を歩く最初のシーンでゴダイゴがかかって、

意表をつかれてものすごく不思議だったけど、

これはこれでなんかいいなと思ったね。

DMMで借りる

ゴダイゴ(新創世紀)

蛇淫 / 中上健次

ATG映画を読む―60年代に始まった名作のアーカイブ

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