手塚治虫の『ばるぼら』を読んだ【マンガ】



ばるぼら / 手塚治虫」

これけっこう好きなんすよねえ。

後半とかラストはあんまり好きじゃないんすけど、

前半の変態性欲オカルティックな雰囲気がたまらなくいいんだぜ。

主人公は作家。

文壇にユニークな地位を築いている売れっ子作家、美倉洋介。

異常性欲の持ち主。

その作家のところに転がり込んできたのが

フーテンのバルボラ。

金は盗むは酒癖は悪いは素性もわからない乞食同然の

おかしな少女なのだけど、

なぜか惹かれて家においてるんすよ。

まあ、のちのち彼女は芸術の女神、

いわゆるミューズであるっていう展開があるんすけどね。

前半の変態性慾のエピソードがいいんだよなあ。

デパートのマネキンに欲情したり、

でっかい毛並みのいい犬に欲情したり、

オカルトな秘密パーティーに潜入したり、

この作家の普通ではいられない

変態じみた嗜好の物語がいいんだわ。

このまま1エピソード読み切りの

変態性慾ストーリーでもいいじゃないかというかね。

処女作に思いを馳せる回なんか

実に読ませるねえってかんじでね。

後半はばるぼらの正体に迫っていくかんじの話になっていく。

芸術家っていうのは、

芸術にだけ奉仕して身を捧げることで、

傑作をものにできる人種で、

これがアート以外のことにのめり込みはじめると、

女神はどこかへいってしまって、

作品を作ることができなくなる。

主人公の作家も政治家の娘と一緒になって政界にいくことにしたとたん、

バルボラは姿を消し、

作品も書けなくなり、

政治家にもなれず、

精神も病んでいくという転落人生になる。

バルボラが来たことで、

異常性欲に溺れることもなく、

ベストセラーとなる作品を

ものにすることができた。

それが政治とか思想系の道に傾きかけたら、

芸術の女神はそっぽを向いてしまうっていうのが

なんかわかるなあ。

アーティストや芸術家が、

自分の作品作りよりも、

政治運動や活動にのめり込み出すと、

ほとんど作品を作らなくなる。

これは作れなくなるから、

そういうアート以外の活動にのめり込んでいくのか、

自分の芸術にたいする情熱がなくなるから、

その穴埋めとして別の活動にいくのか。

芸術家が最後まで芸術家であることが

けっこう難しいっていうことっすかねえ。

その点、手塚治虫はどうだったんすかねえ。

死ぬまで漫画家であり続けて、

自分の芸術に身を捧げてたんすかねえ。

政治活動とかなんかマンガ以外のことやってたとか

あんまり聞かないっすね。

まあ、やっぱり手塚治虫といえば

変態なところが最高なわけで。

人形性愛、獣姦、ブードゥーなどなど。

どろどろした欲望の渦巻きが手塚漫画の魅力ですねえ。

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