死者の奢り / 大江健三郎【本】を読んだ






死者の奢り・飼育 (新潮文庫) / 大江健三郎



有名な都市伝説、

病院で死体洗いのバイトをしたっていうやつの

発信源ではないかと言われている短編小説「死者の奢り」

大江健三郎のデビュー小説でもあるんすねえ。

なかなかとっつきにくい感じですね。

大江健三郎の文章って読みにくいんだ。

この小説で出てくるのは死体洗いではなく、

死体運びのバイトです。

水槽に保管されている遺体を

新しい水槽に移すバイトなんすけど、

リアリティがあるものとしては描かれていないように

感じます。

死と生を扱うために考えた設定のように思える。

だってさあ、

解剖に使われもしない古い死体を

わざわざプールに置いておく意味なんてないもんなあ。

新しいやつからもっていかれるから、

古いやつがいつまでも残っちゃうって、

そんなバカなってかんじでしょう。

主人公の僕は文学部の大学生で、

医学部で募集していたバイトに気軽に応募してみてっていう

話の出だしなので、

普通のリアルなリアリティのある

ドラマなのかなというかんじがするのだけど、

中盤、後半は観念的というか、

思想的というか、

そういう方向性の物語になってくる。

一緒にアルバイトしている女学生が、

妊娠してて、堕胎するとかしないとか、

指示の手違いか、死体を新しい水槽に移動するのではなく、

古い死体は焼却処分にするようになってて、

それまでの作業が全部無駄だった徒労感とか、

地下に死体がプールに入れられて浮き沈みしているというのが、

死を象徴するものとして描かれている。

そんなかんじしましたね。

大江健三郎は、この設定をどこから考え付いたんすかね。

医大で解剖用の死体を保管している話を

なんかで聞いて使ったんすかねえ。



死者の奢り・飼育 (新潮文庫)

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