夜行観覧車 / 湊かなえ【本】を読んだ





幸せってなんだっけ「夜行観覧車 / 湊 かなえ


高級住宅地の住人の人間模様ミステリ。

なかなかよかったんですけど、

ミステリーというかドラマというか。

犯人の内面の描写があんまりなくて、

そこはわざと書いてないというか、

周囲がどう思っていたのか、

こういうことではないかと想像するというか、

結局、何がスイッチになるのかは、

本人にしかわからないという話で

人それぞれ抱えるものっていうのは、

同じ場所にいても一緒に暮らしていても、

まったく違うのだというかんじですかね。

まあ、だから犯人探しのミステリっていう

わけではなくて、

ドラマエンターテイメントみたいなかんじか。

どろどろした思いのたけはよくかけているのだけど、

展開があまりにも偶然すぎて、

げんなりするとこがありますね。

偶然、あの人とこの人が知り合いでみたいな、

接点の作り方が、

物語の必然でそうなってるわけじゃなくて、

偶然そうなんですというやつなので、

そこはあんまりおもしろくないとこです。

最後の展開もなんか変な感触というか、

偶然集まって偶然顔合わせてみたいな、

なんでこういう展開になったのかという

説得力があまりなかったし。

屈折した思いの描写はなかなかいいんすよ。

素敵な場所に素敵な家を持つことにとりつかれた主婦。

母親の期待に押しつぶされて

ぐれちゃった娘。

事なかれ主義で問題から逃げる威厳のない夫。

そういう人たちの屈折した内面の描写はおもしろいのだけど、

それがストーリーとうまく噛み合ってないような

印象が残りました。

題名の夜行観覧車っていうのも、

いまいちぴんとこないなあと。

言いたいことはわかるけど。

湊かなえって

登場人物が自分のことを物語るという形式で

小説を書く人ですよね。

この形式だとなかなか厳しいかもなあ。

内面描写は充実するけども

ストーリー面が弱くなる。

展開がいまいちだと

内面語りの熱気だけでは読み続けられない。



夜行観覧車

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