幻の光

幻の光


幻の光



人が死ぬのに理由はいらない。

また、人が生きるのにも理由はいらないのではないか。

生きるも死ぬもただ寂しいだけである。

目の前には冷たく静かな世界がある。

宮本輝の原作を是枝裕和が初監督で撮った作品。

主演の江角マキコもこれが映画初主演なのかな。

なかなかよかったですね。

江角マキコのおっぱいポロリもありです。

是枝裕和監督っていうのは、デビューから上手いんですね。

是枝裕和監督作って、

普通っぽい感じに役者の演技を画面に収めるのが特徴の一つだと思うんすけど、

このデビューからすでにそのスタイルが完成されている。

浅野忠信が盗んできた自転車を

二人でグダグダどうでもいいことを喋りながら、

ペンキで色を塗り替えるシーンとかすごくいいんですよ。

あの普通っぽい感じはいいね。

この映画は、衣装はモノトーンで黒黒してるし、田舎の風景は暗いし、

静かに時間が進んでいく感じで、

まあ、分かりやすく言えば陰気な映画なんすけど、

その暗さが全然嫌じゃなかったですね。

大阪の長屋で暮らす江角マキコと浅野忠信夫婦。

子供が産まれて、これから3人の生活がスタートしていくという矢先に、

浅野忠信が死んでしまう。

それが自殺らしいんすよ。

線路を電車に向かって歩いていって電車に轢かれて死んだ。

なんの前触れもなく自殺した夫。

死ぬ前に、家の近所の赤井英和がやってる喫茶店までは帰ってきてる。

そこまではなにもいつもとかわらない様子だったんすね。

それがなぜ自殺なのかと。

理由はわからずじまい。

その後、内藤剛志と再婚して新しく生活を始め、

田舎暮らしにも慣れて順調だったんだけど、

頭の片隅にはいつも、前夫がなぜ自殺したのかということがあって、

なぜ?どうして?

その問いかけの答えを探している江角マキコでした、

という話です。

宮本輝の原作はどんなんなんすかね、短篇かな。

あんまり宮本輝を読んだことないのでわかんないっすけど、

この映画を見ると原作も読みたくなりました。

音楽も映像とマッチしててよかった。

夫はなぜ死んだのか。

それはわからないんだけども、

なぜ?という問いかけそのものがナンセンスなのかもしれない。

死者には、なぜ?もどうして?も必要ではなく、

死の理由が必要なのは、生きている側だということ。

死ぬことにも生きることにも理由はないのではないかと。

・宮本輝/幻の光 (新潮文庫)
・サントラ幻の光 MABOROSI


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