
疑惑の影
ヒッチコックのサスペンススリラー。
かなり古いので映像的な演出がのんびりしてるなあって感じだけど、
まあ、サスペンスのツボはちゃんと押さえてくれてます。
この映画、なんで見ようと思ったかというと、
吉行淳之介の「恐怖対談
淀川長治
あらすじっていうか、最後のオチまで紹介してて、
なんかおもしろそうだったから見てみたわけ。
ヨドチョウさんの紹介文を読まずに見たらもっとおもしろく見れたと思うけど、
だったらヒッチコック
そのへんはジレンマですけど。
未亡人殺人の犯人の男が田舎の姉さん家に逃げてくる。
田舎のほんと中流って感じの家庭で、のどかなんす。
オヤジは銀行員で、趣味はミステリ小説を読んで友達と、
こういう殺人方法はどうだとか話すこと。
姉さんは専業主婦。
子供が3人で、一番上の子供は都会にあこがれるお年頃。
妹は理屈屋。
まあ、安定してるいい家庭なんだけど、刺激はいっさいない田舎。
そういう日常の世界に、殺人者が侵入していくスリルを描いた映画。
ジョセフ・コットン
誰も未亡人殺人で逃げているなんて思わないんだけど、
テレサ・ライト
そっから疑惑の影がどんどん濃く大きく広がっていく。
国勢調査を装った二人組の刑事が叔父の周囲をかぎまわる。
贈り物の指環のイニシャルと事件の犠牲者のイニシャルの一致。
そんなこんなで、叔父が殺人者だと確信するわけ。
この刑事って刑事なのか探偵なのかどっちなんすかね。
detectiveって、探偵と刑事どっちの意味もあるみたい。
探偵だったら誰が雇ってんだっていう話しだし、
刑事だったら、管轄外の他の州まで捜査しに行くことはないんじゃないかって思うし。
警察が探偵を雇ったってことなのか。
二人組で行動してるからFBIなのか。
FBIは、この頃はまだなかったっけか。
単なる普通の刑事か。
まあ探偵でも刑事でもどっちでも可ですけど。
まあねえ、物語の構造はやっぱさすがヒッチコック
叔父と姪が同じ名前で、
一方は殺人を犯すことになんの気持ちの動きもない冷徹な殺人者。
なんか子供のころの事故で人が変わっちゃったらしいね。
一方は、普通の家庭でぬくぬくと育って都会的な叔父さんにあこがれるピュアなお嬢さん。
同じ名前を持つ二人の対比。
まあ、二人の対決、攻防っていうかね。
姪は叔父さんに家を出て行ってもらおうとする。
叔父は、姪を殺して口封じをしようとする。
前半ののどかさから後半過激になっていく展開の上手さはあるわけ。
でも映像は、古いからあんまり迫力がないのです。
まあ、サスペンスの文法をしっかり押さえてあって、
構造は高得点です。
定本 映画術―ヒッチコック・トリュフォー
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