2008年02月06日

砂の女

砂の女

砂の女


安部公房の「砂の女」を勅使河原宏監督で映画化。

いやー、これはいいですね。

岸田今日子の怪演が光る一品です。

ばあさんと呼ばれているけど、そんなに歳でもない。

後家だからばあさんなんすかねえ。

それがなんか色っぽいんですよ。

ヌメヌメしている色気がある。

安部公房の「砂の女」は高校生ぐらいのときに読んだんかなあ。

正直、よくわからなかったんすよねえ。

まあ、学友たちとは、安部公房の砂の女はすごいねとか、

社会をシュールな視点でとらえた作品でとか、なんとかかんとかわかってる風を装って、

話し合っていましたが、正直、よくわからんかったのです。

あいつらもわかってなかったんだろうな。

砂の穴の底に建ってる家に女がいて、

そこにだまされて放り込まれた男がいて、

ただひたすら砂を掘らされるという話は、イメージしづらかった。

あまりにも突拍子もない話に思えたので、

映像が浮かんでこなかったのですが、

今回、この映画を見てみると、なるほどなるほどと。

こういうことかと。

非常に上手く映像化できているのではないかと。

砂の映像。

生き物のようにさらさらと流れる砂の映像がバリエーション豊かで、

これまた美しいんだよなあ。

武満徹の有機的でインパクトのあるサウンドトラックと相まって奇妙な世界を構築している。

かなり変な世界だよなあ。

男は最初はなんとか脱出しようといろいろ試みるんすよ。

もともと短い休暇をとって、昆虫採取に来た普通の教師ですから、

こんな理不尽なことはおかしいともがく。

女を縛って強硬な手段にでたりもする。

それが失敗すると長期戦だとじっくりチャンスをうかがう。

どうやって脱出するのかという緊張感がこっちに伝わってきて、

すっごいのめりこんで見ましたね。

ぼろい家の回りは砂だし、なんにもない映像なんすけど、

まったく退屈せず見れる。

それがね、1回脱出に成功して、連れ戻されてから、

なんか変わってくるんすよ。

男に変化が出てくる。

あれ、なんかおかしいなあと。

違和感がでてくる。

あれあれと思っているうちに、エンディングで、

どうして男がそういう行動をとったのかわかるようでわからないと、

うーむと考えているうちに終ってしまった。

なぜ男は留まることにしたのか。

わからない。

崩れかけた砂の穴の中で砂を掘り続けるのも、

普通にそれまでの生活を送るのも、

どちらも同じことだと悟ってしまったからなのか。

スリリングな前半と、考え込ませる後半の落差がおもしろいなあと。

映像もよかったしなあ。

もう一度、安部公房の「砂の女改版」を読み直してみようかな。

映画を見たことによって、イメージしやすくなったから、今度はしっかり読めそう。

安部公房って読みやすいけど難しいんだよなあ。

オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽

砂の女


広告




posted by ビショップ at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 映画2008 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/82715514

この記事へのトラックバック

【映画】砂の女(1964) / 勅使河原宏,安部公房
Excerpt: 「砂の女」のキーワード安部公房 岸田今日子 勅使河原宏 武満徹 シュール アート ハンミョウ 部落民問題 前衛 カフカ アルベール...
Weblog: CARAMEL*PAPA
Tracked: 2008-02-22 17:42