『紀ノ川』を観たんだ【映画】司葉子主演、明治・大正・昭和を紀ノ川と共に生きた女性の大河ドラマ



家という単位の解体。

和歌山県紀ノ川沿いの地主に嫁いだ女の目から語られる

「家」という生活集団の没落と消滅。

家を守り切り盛りしていくのが

女の一生をかけての大仕事だった時代から

戦争、敗戦を経て

地主の解体消滅により家がなくなっていく時代を描くみたいな。

大河ドラマですね。

地味な。

家を守り、男の影になり男を盛り立てる。

それが女の仕事だったのだが、

家が形をなさなくなり、男がいないとなると

いったい何のために生きてきたのかと、

ふとそれまでの生き方に疑問を感じてしまうが、

人の一生とはそういうもの、

川の流れのように、

常にそこにあるけども、

そこにあるものは昔とは違う今だけみたいな。

母から娘へ代替わりしても

受け継がれていくものはあるけども、

はっきりとわかる「家」という存在は消えていくみたいな。

そんな感じの川の流れのような映画ですね。

けっこう長いです。

そして地味です。

時代の流れを描く系なので、

とくにこれという事件もない感じのファミリードラマ。

男を支えるのが女の仕事といっても、

支える男たちがなんだか頼りないんだもんなあ。

田村高廣は昔ながらの一家の長男って感じで、

バリバリ出世してどんどんやるぜって感じだったけど、

体壊して嫁より先に死ぬ。

弟の丹波哲郎は昔のシステムだと家は長男のもので

次男はゴミのような扱いをされるので

早くから分家して価値のない山と

少しの田んぼもらって若隠居を決め込む。

まあでも丹波哲郎も田村高廣に劣らぬ才能というか

賢さはあるんだけど、次男ということで腐ってるわけで。

隠居でなんもしない。

人の気持ちはけっこうよくわかるし、

世の中の情勢を読むのもうまいのだが

表にたって何かやろうという気概はない。

ああいう悲しみ方もあるんやと岩下志麻を気遣うとこなんか

こいつできる漢やなって感じなんすけど、

次男だからなのか長男のように

人の先頭にたって何かしようというタイプじゃない。

敗戦後、材木特需で価値のなかった山が大金を生むようになる。

逆に農地改革で本家は没落。

家を継ぐはずの田村高廣の長男は何にもやる気なしの男。

もう疲れた、人間関係とかめんどくさいし、

その日を適当に暮らしていけばいいさと

煙草をプカプカするニート男で頼りがいまったくありません。

家を再興するとか完全に無理。

女が支えがいのある骨のある男っていうのが

いない時代になってんの。

若い時は男勝りで古いしきたりを壊すと息巻いていた

長女の岩下志麻は年をとって自分も母になってから

母親の生き方を理解できるようになる。

旧時代、母の生き方は女の鑑のような生き方であったが、

時代が変わってしまうと、その生き方に意味があったのかと

簡単に問われてしまう。

あんなに守ってきた家はなくなる、

男はふがいない。

じゃあ、おばあちゃんはなんのために生きたの?と

孫が無邪気に怖いこと尋ねます。

こわっ。

残酷。

時代がかわれば生き方も変わらなければならない。

変わってないようで変わっていくのが川の流れ、人生だみたいな。

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