『風花』を見た【映画】木下恵介監督、岸惠子、有馬稲子、久我美子共演の農村メロドラマ



なんともぴりっとしませんなあ。

家に縛られる昔の日本人って感じの話。

木下恵介監督のカラー作品で

主演は岸恵子。

共演も久我美子、川津祐介、有馬稲子、

ゲストに笠智衆となかなかキャストはいいのだけど、

どうにも話にフックがない。

農地改革で土地を手放し

没落の一途をたどっていってる田舎の

大地主の家が舞台。

田舎の封建的な習慣が残る中での

人間ドラマって感じなんすけど、

どうにもいまいちですね。

岸恵子はタブーをおかして

村八分な扱いをされる人をやってるんだけど、

どうも生ぬるいというか

そんなに虐げられてるように見えない。

地主と小作人、男と女、

階級による差別が歴然とある封建社会で

ルールを破ったものがどうなるか。

あんなもんじゃすまないだろうなあ。

岸恵子が普通の農家の人みたいな

小ぎれいさがあるので

どうにもぴりっとしません。

川津祐介と久我美子の恋愛なのかなんなのか

よくわからない関係のドラマも

どう描きたいのかよくわからない

ぴりっとしない感じでしたし。

いったい木下恵介監督は

何がしたかったのかみたいな。

封建社会での悲恋がやりたかったのか、

親から子へと呪いのように

家に縛られる悲劇が

繰り返されるドラマがやりたいのか、

旧時代は終わり新時代の始まりの息吹を

描きたかったのかなんなのか。

なんだかよくわからない。

木下恵介や成瀬巳喜男とかそのへんの時代の

名監督がモノクロ時代に

こういう舞台設定で

ぴりっとしたドラマを

撮ってたと思うんだけど、

それらと比べると

全然だめですね。

まあ、人は家に囚われて

どこにも行き場のない

生き方するしかないっていうことですかねえ。

おばあさんは封建社会で陰口たたかれて

あれこれ嫌なことした復讐で

孫を資産家に嫁がせることだけに執念を燃やす。

久我美子は

こんな家嫌だなあ出たいなあということで

結婚するんだけど、

家を出て夫の家に入るだけで

何も変わりない。

かといって友達のように、

東京に出て売れない画家と貧乏暮らしして

幸せよという生き方ができるとも思えない。

久我美子が嫁ぐことで

岸恵子と川津祐介は家を出て新生活へ踏み出すのだが、

なんとも遅いリスタートですね。

それほど家という存在は大きいし、

そこを離れて

自力でやっていけるような

自由で強い人間はめったにいないということかな。



木下惠介生誕100年::風花

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