『野ゆき山ゆき海べゆき』を見たんだ【映画】



大林信彦監督による戦争映画。

戦争を子供の世界のケンカを通して

描くって感じかな。

躍動するわんぱく坊主たちが楽しいです。

描き方が漫画っていうか、変わってて、

擬音をセリフで言っちゃう。

むんずとかガブリとか

マンガで音を文字で表現するじゃないすか。

あれをセリフで口に出して言うんだ、みんなが。

モノクロ映像とあいまって

独特な大林ワールドを構築しています。

先生役の竹内力のコミカルな演技も

好き嫌いわかれそうですねえ。

笑ったなあ。

いきなり便所で用を足してるところを

扉をあけられて見られてしまう

女の子のシーンとかあって

インパクトありましたねえ。

ちょっとかわいい系の

いいとこのお嬢さんっぽい女の子が

便所のカギが壊れてて

しゃがんで尻丸出しのとこを見られるって

恥ずかしすぎる。

それをブスな女の子が先生に言いに行く。

なーにーっと驚いて急いで走っていく竹内力。

一連のシーンがコミカルで味あるなあ。

そんな感じのコミカルシーンが展開していきますが、

ところどころシリアスで大真面目で

怖くなるぐらいのシーンがあります。

鷲尾いさ子と尾美としのりが

駆け落ちするしないのとこなんか

もう、どうにも切なくて仕方がない。

親の借金のかたとして

女郎に売られることになってる鷲尾いさ子。

赤紙が来て戦地に行くことになった尾美としのり。

二人は駆け落ちする約束をしていたのだが

戦場で死んでお骨になって帰ってきた兵士と

その家族たちの姿を見て

尾美としのりは駆け落ちをやめにする。

その理由が男だからっていうね。

戦って死んだものの敵を取りたい、

敵を倒して恨みをはらしたい、

とかそういう気持ちがわいてきた

ってことかなあ。

それを聞いた鷲尾いさ子は、

女はどうすればいいのと哀しみます。

私より戦争が好きなのねと。

これはきつく突き刺さるなあ。

マッチョメンとして奮い立つ心は

美しいのかもしれないが

その心によって傷つき泣く人間が出てくる。

勇敢であることは

称賛されることなのかもしれないけども

その勇敢さは

不幸しか生まないのではみたいな。

切ないなあ。

そんな二人の最後も

ハッピーエンドかなと思わせておいての

サッドエンド。

基本、マンガ的にコミカルテイストでやってるんだけど

時折、ドキッとするほどシリアスなんだよなあ。

子供が東軍と西軍に分かれて

せんそうごっこする。

戦争は始めるのは簡単だが

終わらせ方はわからない、

というのもそうですねえ。

勇ましくやるぞと

拳を突き上げるのは簡単だが、

その拳をどうおさめればいいのか

わからなくなっていく。

なんかドキッとしますねえ。

コミカルな味わいだけど

ピリッとシリアスもある。

風刺っていうやつですかねえ。

長いけどなかなか見応えありました。

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