『隠し砦の三悪人』を見たんだ【映画】



これは衝撃。

めちゃくちゃおもしろかったですね。

何が衝撃だったのかというと、

昔、高校生ぐらいのときに、

ビデオで見たときは、

なんか姫さんがロボットみたいな動きで

キイキイ怒鳴ってて変だなぐらいにしかおもわなくて、

全然おもしろいと感じなかったのです。

なんかジョージ・ルーカスが好きで

スターウォーズの元ネタが隠し砦の三悪人らしいよってことで

レンタルビデオで見てみたんだけど、

なぜジョージ・ルーカスがこれを好きなのか

まったくよくわからなかったんすけど、

今、見返してみたら、

めちゃくちゃおもしろいんすよ。

体中に電流が走って鳥肌たつぐらいおもしろい。

笑っちゃったね、面白すぎだし、

高校生の私はなぜこれをおもしろいと

思わなかったのかがまったくわからなくて

笑っちゃう。

自分で自分がわからなくて笑っちゃうっていうかねえ。

なんなんだろ。

子供のころ見た映画で

大人になって見返すと印象が全然違うっていうのが

よくあるけど、これは最大級に落差があったなあ。

三船敏郎のかっこよさ。

馬で疾走して両手で刀をかまえて敵兵を追って斬るシーンなんか

あまりのかっこよさに涙出てきた。

お姫様役の上原美佐もいい味出てていいんだよなあ。

男のように育てられた16歳。

まだまだ世間を知らない子供だし、

女だけど少年のようでもあり、

戦に破れて落ち延びて

お家再興の希望を背負わされているという極限状態。

ああいう感じでおかしくないっすね。

むしろあの演技であの姫様のバックグラウンドが

いろいろ感じられていい味出てるんだよなあ。

C3POとR2D2のもとになった千秋実と藤原釜足のコンビ。

欲深くて小心者で平凡であるという人間味ある人物を

うまく体現してる。

いやー、藤田進もいいしみんないいですね。

話もサスペンスでおもしろい。

黄金と姫を連れて敵の包囲網を突破せよ!っていう

単純極まりない話で難しいこと一切なし。

そこにいろいろ人の思いが乗っかって描かれる。

途中で加わる女が姫様に恩を感じて身を挺して

姫を守ろうとするようになるとかさ、

姫様が火祭りフェスの歌を歌って

生きたいようにわたしは生きたと

生の感動を語り、

その言葉によって藤田進の心が揺り動かされて行動するとかさ。

まだ子供で世継ぎとして男子のように育てられて

世間も良く知らず

家族は死んで

国は滅んで

大きすぎる希望を背負わされている姫様が

死を目の前にして生きることを歌う。

そりゃあ藤田進も自分の生き方を考えますね。

気持ちの変化、

人の心が動く瞬間が要所要所に描かれてて

見ててハッとさせられる。

もはやこれまでと自分がおとりになるから

逃げろと姫に短刀を渡す三船敏郎と

上原美佐が無言で見つめ合うシーンとか

体に電流が走るほどいかしてる。

最後の勝利のパレードもすごいんだ。

姫を真ん中に左右に藤田進と三船敏郎。

3人がちょっと前に進むだけなんすよ。

あまりにかっこよすぎて電流が走った。

歓喜のパレードをたった3人が数メートル歩くだけというシーンで

描いてしまうかっこよさ。

その3人を見てるのは俗物2人のみ。

たった5人によるお白州のシーンの美しさは

鳥肌たったなあ。

まあ、とにかく何から何まで気力の充実ぶりが半端なかったです。

三船敏郎のオスとしての気力の充実したかっこよさ。

美しくさえある。

最初のほうで敗軍の兵士が穴掘りさせられて

暴動になるところの

人が大波のように石段を走ってくるシーンの躍動感。

生命のきらめきが随所に記録された映画ですね。

もうなんか涙出てくるんだわ。

この輝きはフィルムの中にしかない。

もうどこにもない。

この美しさはすでに過ぎ去ってしまった過去と思うと

なんだか寂しくて寂しく。

ミフネもお姫様も又七も太平ももういない。

黒澤明もいないし、

こういう邦画ももう作られない。

なんか失われた美しさをこれでもかと見せつけられて

感動の興奮を通り越して

物悲しさで胸が締め付けられる。

一つの時代のピークを目撃したみたいな。

娯楽時代劇なんすけど、

自分にとってこれは感動ドラマっていうか、

生命の輝きと人の心が動く瞬間の感動を描いた映画ですね。

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