『藪の中の黒猫』を見たんだ【映画】



お母さーん。

おっかあでもなく母上でもなくお母さん。

平安時代を舞台にした妖怪化け猫ものの体裁で

母と子、夫と妻の愛情、

戦乱の世のむなしさを描く。

モノクロが美しいですね。

平安時代には白黒映像が良く似合う。

というのは、平安ぐらいだと

まだ夜は真っ暗で闇の世界が幅を利かせてるじゃないすか。

その闇の中に物の怪や怪異が潜んでいても

おかしくない。

そういうムードが平安にはあるから

モノクロで表現される闇夜がいい雰囲気なんすよ。

着物とかも平安のもののほうが

なんか雰囲気あって好きだなあ。

シンプルに光と闇を映した映像に大満足です。

お話もいいですね。

戦争によって悲しい運命をたどる家族の話。

母親と息子と嫁3人で暮らして農民。

息子が強制的に徴兵されて戦地におくられてしまう。

残った女二人は

兵隊たちの略奪にあって殺されてしまう。

侍たちへの怨念をはらすために

黒猫が乗り移って物の怪としてよみがえる二人。

夜な夜な羅城門に出現して

侍を誘っては喉を食い破って殺す。

朝廷は侍大将の源頼光に物の怪討伐を命じる。

そこに息子が手柄をたてて京に戻ってくる。

立派な侍として出世した息子は

さっそくこの物の怪の退治を命令されて羅城門へ赴くのだが……。

悲しい話ですねえ。

戦争で離ればなれになった。

戦争で母と嫁は殺された。

それで戦で傍若無人にやりたい放題する兵隊を

殺すために化け物になってよみがったのだが

息子が兵隊になって目の前に現れた。

愛したものが憎むべきものの姿になって再会。

息子からしても

やっとの思いで生き残って帰ってきたら

母と嫁が化け物になってしまってるんだから

こんな悲しい再会はない。

ハッピーエンドにはどうやろうがたどり着けない物語ですねえ。

おかーさーんと吠えるしかない。

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