『涙を、獅子のたて髪に』を見たんだ【映画】





搾取する側とされる側。

若者は搾取する側の手下をやっていたが

搾取する側に回ることはなく

搾取される側だったと気が付いたときには

すべてを失っていたみたいな話。

加賀まりこ氏のデビュー映画らしいです。

まだ洗練されていない、

そこらへんにいる普通のカワイ子ちゃん風。

主演はロカビリー歌手の藤木孝で、

脚本は寺山修司、監督は篠田正浩。

モノクロ。

もっと加賀まり子と藤木孝の恋愛が

たくさん描かれるのかと思ってみてたんすけど、

そういう青春映画っぽい雰囲気は少なかったですね。

ライスカレーとカレーライスの違いって知ってる?みたいな

ほのぼのムードはちょこっとで、

港湾労働者が組合を組織しようとする、

それを妨害しようとする、

資本家対労働者みたいな殺伐とした

雰囲気が支配する映画になってましたなあ。

もっと二人の楽しいデイト風景を見たかったね。

とにかく主人公が惨めすぎる。

主人公は港湾労働者からはダニ扱いで

煙たがられてるし、

雇い主の兄貴分からは犬扱いで

なんかほんとみじめな扱いなんすよ。

兄貴分はおれのために足を怪我して

杖つきになってしまったから

俺は兄貴のことには逆らえないと

パーティーで歌を歌わせられたりする。

地獄の一丁目二丁目だかの歌を披露。

屈辱。

そんな扱いでも

恩があるからと耐えていたのに、

それが作り話で

いいように操られてただけと知ったときの絶望感。

仲間もいない、パートナーもいない、

恩義もない、

搾取されるだけの若者が

これほど悲しい存在であるとは。

雄々しいはずの獅子=若者のたてがみは

涙に濡れている。

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