『震える舌』を見たんだ【映画】





これはきつかったなあ。

開始15分ぐらいで見るのをやめようかと。

おもしろくないから

やめたくなったのではなくて

見てるのが辛くて気持ちが落ち込みすぎるので

見てられなくなって

やめたくなったのです。

実際、そこで見るのやめたからなあ。

その後もたびたび見るのをやめて

途中で休憩して

また別の日に再開したりして

なんとか最後まで見ることができた。

もう辛くて辛くてきつかった。

難病もののドラマなんすけど、

作り方は完全にホラー映画なんすよ。

味わいは「エクソシスト」に近い。

破傷風に罹って症状が悪化していく描写が、

悪霊がとりついておかしくなっていく描写と

おんなじように作られている。

刺激に反応して発作がおこるので

カーテンして真っ暗な部屋のベッドに寝かせられる少女。

食器が落ちる音で発作を起こし、

体をエビぞらせて、舌を噛んで食いしばるので

口中血だらけになりながら

うめき声をあげてのたうち回る。

付き添う親、渡瀬恒彦と十朱幸代はなすすべなく

苦しむわが子を見ているだけしかない。

ずーっとこの描写が続く。

少女が食いしばって口を開けないので

処置の邪魔だと

前歯を強引にゴリゴリ引っこ抜いてしまうとこなんか

最高にきついっすわ。

乳歯だからいいだろ!っという医師に

あわわわっと見てるしかない親。

破傷風の致死率の高さに恐怖し、

自分も感染したんじゃないかと恐怖し、

悪化していく娘の病状に恐怖し、

付き添うだけで何もできない無力感に恐怖し、

渡瀬恒彦と十朱幸代は疲労困憊で

精神が不安定になっていく。

これをずーっと見させられるわけ。

もうね、辛くて辛くて見てらんないんすよ。

出来はいいと思うんすよ。

身内が病気になって看病したことある人には

けっこうリアリティを感じる作りになってる。

病気のことよくわかんないまま、

治療が始まって

全然よくならなくて

ただただ悪くなってる中

自分は付き添うだけで何にもできない。

いつ終わるのかわからない苦しみと

疲労の蓄積で

頭がおかしくなりそうになる。

その感じがよく描けてる。

よく描けてるから見てられないんすよねえ。

あれこれ処置されて

酸素だ気管切開だといじくりまわされる娘を見て

もうダメなんだ死んじゃうんだと

虚脱状態で病室に行くことが怖くなる十朱幸代。

もう娘はダメだ、俺も破傷風に感染してるから

あとは頼むと目をギラギラさせる極限状態の渡瀬恒彦。

まあ、最後は光が見えて

あー、よかったとほっとしたのでよかったんすけど、

これほんとにああいう終わり方でよかったよ。

バッドエンディングだったら

ほんとにどうしようもない。

薬が効いて娘の病状が落ち着いて好転して

もう心配ないとわかって

渡瀬恒彦がうれしくてジュースを買いに走って

転んでうれし泣きに体を震わせるシーンなんか

ほんとによかったとみてて思ったもんなあ。

現実ではよくならずにそのままダメってことも

よくあるわけで

映画の中だけでもハッピーエンドでよかったなと。

なんだかほっとしたというか、

ほんとにうれしくてこっちも涙でたというか。

まあ、ハードな映画でしたね。

終わりのない地獄のようで

終わってみれば発症してから2週間ぐらいの話なんだから

ものすごい密度だったなあ。

絶望、不安、恐怖、そして安堵。

これは気軽に娯楽として映画でも見るかと

休日の朝一とかに見ると

その日いちにちブルーになるので

見るタイミングを選ぶ映画っすね。

見終わったら、

チョコパンと特上うな重で自分をねぎらってやりたくなるね。

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