『十階のモスキート』を見たぜ【映画】






世界三大銀行強盗映画。

マイケル・マンの「ヒート」、

松田優作の「野獣死すべし」、

そして、内田裕也の「十階のモスキート」。

いやー、おもしろい。

内田裕也のマッドポリスメン。

内田裕也版の「フォーリング・ダウン」ともいえる。

交番勤務のお巡りさんを主役に

ここまで狂った雰囲気をかもしだせるとは。

内田裕也はルールを守るまじめなお巡りさんだったのだが、

離婚をきっかけに歯車が狂っていき、

どんどんそれまで鬱屈していたものが

外にでてきて、

ギャンブル、女、借金と転落していく。

そして最後は郵便局強盗です。

静かにおかしくなっていくみたいなムードが

たまんないっすね。

別れた嫁は養育費や慰謝料をうるさく催促してくる。

娘は竹の子族で夜な夜なディスコを

遊び歩くかわいげのないクソガキ。

昇進試験にはまた落ちた。

こんなはずじゃなかった。

人生計画では順調に昇進して

妻と子供がいる楽しい家庭もあって

まじめに暮らしていくはずだったのだが、

どこでどう間違えたのか、俺は。

みたいな。

まじめいっぽんやりだった内田裕也が

一攫千金を狙って

競艇に手を出しておけらになる。

サラ金に手を出す。

サラ金をはしごして自転車操業のサラ金地獄。

スナックのホステス、万引き女、婦人警官らを

家につれこんで性欲を満たす。

なぜか、趣味はパソコンです。

パソコンといっても今のパソコンじゃないっすよ。

家庭用が出始めた時代のやつで

ドット絵のゲームのプログラムが動くみたいな

子供の高いおもちゃだとパソコンが

思われてた時代のやつです。

いやー、かなり時代を感じましたね。

秋葉原の部品ショップとか、

走ってる車のデザインとか、

竹の子族とか、

すごいおもしろい。

まるで日本じゃないみたいで

SF都市かみたいな。

出演者がまたおもしろいんだ。

娘役は小泉今日子。

デビューしたてのときですかねえ。

こんな映画でてたんだなあ。

万引き女はアン・ルイスですか。

婦人警官は風祭ゆきで

制服姿なのに妙にエロスが漂ってて

婦人警官にはまったく見えない。

ホステスの中村れい子もなんかものすごい

エロい雰囲気を漂わせてました。

何を考えているのかわからない虚無的な

内田裕也にキャラの濃い女性陣たちの組み合わせは

なかなかはまってたなあ。

ちょい役に横山やすしとか、

ビートたけしとかもでてますね。

けっこういいキャストがそろってます。

そしてクライマックスの最後の郵便局襲撃。

すげえ迫力。

映像がすごいとかアクションがすごいとかじゃなくて

気迫がすごいんすよ。

内田裕也のテンションがすごい。

ぷっつんしちゃった感っていうんすかね。

何がなんだかよくわからんけども

こいつはやばいみたいな。

内田裕也が吼える。

内田裕也が暴れる。

郵便局員たちが突然の暴漢の侵入に

あっけにとられておびえまくる。

内田裕也の暴れ方がすごいんだ。

ぶちぎれたやつが癇癪を爆発させてる暴れ方で

全然スタイリッシュじゃないとこがいい。

棚のガラスを肘鉄で割ろうとして

割れなくて肘がいてえみたいなリアクションとか

この人なんなんだろ感がすごい。

札束を手にして目的を達した内田裕也は

騒がして悪かった、

俺は交番にいるからいつでも

困ったら来てくれと落ち着いていうのも

怖すぎる。

完全にプッツンきちまった勢いで

暴れまわったけど

金を手にしたら気が済んだみたいな。

このへんの狂気にリアリティを感じるので

おもしろい銀行強盗シーンでした。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック