2009年11月06日

太陽がいっぱい

太陽がいっぱい [DVD]



元祖イケメン俳優アラン・ドロン「太陽がいっぱい



イケメンドロン。

いやー、男前、ハンサム、イケメンという称号がぴったりくるアラン・ドロンですな。

古めのヨーロッパテイストな映画なので、演出に派手さはない。

全体的な雰囲気はダルい。

だるい日常のペースの中に、一瞬のスリルが紛れ込んでいるってかんじかな。

刺し殺すシーンとか、うまいね。

日常と凶行のメリハリがきいてて。

まあ長く感じますけどね。

市場をぶらぶらするアラン・ドロン

ヨットを操縦するドロン。

女をたらしこむドロン。

若く美しい男の躍動する肉体。

たまんないなあ。

映画評論家の淀川長治がこの映画はホモセクシャルの映画だと解析していたが、

それもなんとなくわかるような気がする。

でもよどちょうさんの分析を知らなかったら、

単なる貧乏な青年が金目当てで金持ちのぼんぼんを殺した話だと思っただろうな。

さすが淀川先生。

プロはわかるんだな。

たしかにそういう符牒はいろんなところに現れているね。

ドロンがモーリス・ロネの服を着て鏡に向かってロネのモノマネをして、

鏡にキスをする。

確かにこれはホモな雰囲気がある。

直接的な表現はいっさいないが、

男二人の関係が単なる嫉妬や憎悪だけではないということ、

根底には愛憎があるということが見て取れる。

最初は主従の関係がはっきりしていたのが、

だんだんと二人が同列になってくる。

まあ、これは殺害を実行することにしたアラン・ドロンが、

気持ち的に優位にたち始めるから、

二人の力関係が変化していっているだけとも見えるのだが、

相手を殺して、自分が相手に成り代わるという行為そのものが、

すでに愛情の裏返しの愛憎ではないのかってかんじですな。

嫌いな人間に化けようとは思わない。

あっさり見ると普通に見過ごしてしまいそうなシーンでも、

あとあと考えると重要なシーンであったりして、

これはなかなか見ごたえがあるのではないすかね。

そしてラストシーン。

あれはいい。

計画は成功。

フィリップを殺し、財産は恋人に渡る。

警察を煙に巻いて偽装工作も完璧。

彼女をものにしたリプレーは、富と女を手に入れた。

まさに絶頂。

降り注ぐ太陽の光を勝利の美酒のように体全体で浴びる。

この絶頂の瞬間が一瞬にして消えてしまう。

この落差。

演出が地味なんすけど、それでも衝撃があったなあ。

まあ、ホモ映画かどうかはよくわからんが、

作り手が意図をもってシーンを作ってるってかんじはしたな。

分析しながら見る映画。

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・原作:パトリシア・ハイスミス/太陽がいっぱい (河出文庫)

「太陽がいっぱい」オリジナル・サウンドトラック









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