『続・拝啓天皇陛下様』を観た【映画】野村芳太郎監督、渥美清の主演で贈る戦争コメディ



続 拝啓天皇陛下様

おもしろかったなあ。

前作よりこっちのほうが面白かったかも。

続といっても前作の話の続きというわけじゃない。

同じ構造でパワーアップして作られた外伝みたいな感じ。

身よりのない、学も地位も名誉も金もない男が

軍隊は飯も食えるし給金ももらえて天国じゃと

明るくたくましく生きていく姿を描く人情喜劇。

軍隊生活、終戦直後の混乱期、戦後復興期までを

様々な人々との出会いと別れを通して描く。

渥美清がいいんすよ。

こういう普通っぽい素朴な役がうまいっすね。

まあ、普通っていうか、普通じゃないっすけどね。

かなり変わってる変な男だけど、

こういうやついそうだなと思える。

渥美清の喜劇俳優としてのうまさで

役でしかない男が実在しているかのように

生き生きして見える。

見てるうちに渥美清演じる男にどんどん親近感を感じていく。

見た目は良くないし、

酒癖悪いし、

頭も悪いし、

叶いそうもない相手に恋心をもったりするしで

なんにもいいとこなさそうなんすけど、

正直ものだし、情に厚い男なので

なんか魅力的に思えてくる。

何がそんなに良く見えるのかなあと考えたら

彼の生き方は計算がない。

常に今を生きているんすよ。

身寄りもなく金もないから

そういう生き方しかできないんすけどね。

時代の波に翻弄されっぱなし。

それがもっとも良い生き方なのかなと。

あれがああなったらああしようとか

これがあるから今しないでおこうとか

そういう計算をしてしまうから

未来に不安を感じたり

今を疎かにしたりしてしまうわけで

もう今しかないとなったら

いらぬ心配なんかしてる暇ないわけで。

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『大日本帝国』を観た【映画】舛田利雄監督、笠原和夫脚本による太平洋戦争を舞台に、戦争に巻き込まれていく人々の悲劇を描いた超大作



大日本帝国

長い。

なんせ3時間あります。

途中に休憩ありますからねえ。

でもね、やっぱ戦争映画っていいね。

戦争万歳っていうわけじゃない。

戦争を知る取っ掛かりとして

戦争映画とか戦争小説とかを

たくさん見たり読んだりするのが

いいのではないかと思ったね。

作られた時代によって

戦意高揚的だったり娯楽的だったり

自虐的だったり

英雄的だったりいろいろあるし、

出演者や監督によっても

どう映画を描くか違うし、

外国資本のものだったりしたら

また、邦画とは一味違うしで、

どれか1作品で全体を知ろうとするよりも

いろいろ見て面でとらえるようにするのが

正解なのかなと。

だって本当の戦争なんて

わかりっこないわけで。

今作はなかなかよかったですね。

戦争は悲惨ということを感じた。

兵隊になって戦場に行く男たち。

戦場で死ぬのも悲惨。

生き残って帰ってきても悲惨。

俺は生き残ってしまった、

あいつは死んで俺は生きていることが

申し訳ないと生きる気力を失ったあおい輝彦。

そんなあおい輝彦をしっかりしてよ、

私はあんたのものなのよと

おっぱいを触らせて励まそうとする関根恵子。

いやー、なんかわかる。

子供と私のために生きてというメッセージ。

女は強し。

熱い肉体の力によって生きる気力を取り戻した

あおい輝彦に再び召集令状がくる。

悲惨としか言い様がない。

篠田三郎と夏目雅子の話も悲惨です。

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『日本海大海戦 海ゆかば』を観た【映画】東郷平八郎率いる日本海軍連合艦隊vs.ロシアの無敵バルチック艦隊



日本海大海戦 海ゆかば

日露戦争の話。

沖田浩之演じる軍楽隊の兵士を主人公に

女との別れ、戦友たちとの切磋琢磨、

そしてロシアのバルチック艦隊との戦闘を描く。

戦闘シーンは最後です。

日露戦争のときって戦闘機はまだ実戦配備されてなかったんすね。

艦隊戦です。

戦艦が大砲の撃ち合いをする。

司令官の三船敏郎は危険ですので奥へと言われても、

ここから敵がよう見えるわいと引っ込まない。

バンバン敵が撃ってきて

ドッカンドッカン被弾して炎上してましたけども、

当たらなければどうということもないってことです。

落ち着き払って指示を出す三船敏郎。

うーむ、渋い。

大海戦という題名なので

戦闘シーンがたくさんあるのかと期待した人は

ちょっと期待はずれかもしれないっすねえ。

戦闘は最後だけだから。

でもけっこうな時間、戦闘してますし、

爆発、炎上、吹っ飛ぶ兵士たちって感じで

迫力あります。

でも、艦隊戦なので敵もこっちも撃ちまくる当たりまくるって感じで

もう船の上は地獄絵図なんすよ。

遮蔽物がまったくないところで大砲撃ち合ってんだから

ノーガードでやりあって

倒れたほうが負けみたいな戦いなんすかねえ。

ロシアのバルチック艦隊は無敵艦隊と言われてたんすよねえ。

日本はよく勝てたなと思ったなあ。

逆にそういう短期の戦いだから

日本に勝機があったってことなのか。

補給を考えながらの長期戦だったらダメだったのかもなあ。

戦闘シーンが最後だけなら、

たくさん時間を使っていったい何を描いているのかというと

沖田浩之のドラマです。

沖田浩之の女が三原じゅん子なんすよ。

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『オーシャンズ13』を観た【映画】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットらによる人気クライムコメディシリーズ第3弾



オーシャンズ13

え?オーシャンズ13なんてあったの?っていうのが

最初オーシャンズ13を見かけたときの感想。

なんかヒット作の続編を装ったまったく関係ないけど

題名はそれっぽいのがついてるみたいな

そういうたぐいのやつかと思ったら

ちゃんとした続編で驚いた。

ジョージ・クルーニー軍団は出演してるし、

監督はスティーブン・ソダーバーグだし、

敵役はアル・パチーノときてるし

ちゃんとしてるじゃないかと思って見始めたら

中身はひどかった。

オフの片手間に映画作りました~みたいな気の抜けた雰囲気がすごい。

じゃあ、マット、今日はこの衣装着て

こっからここまで歩いてこの台詞言ってくれ、

じゃあ、スタート、カット、OKみたいな感じで作ってそう。

出演者、誰一人、どういうストーリーか把握してないし、

どういうシーンなのかも知らずに

用意された衣装に台詞に動きをしてただけみたいな雰囲気が

全体に漂っている。

まあ、リラックスしててそこがいいみたいな言い方もできるけども、

なんだこりゃと思うほうが強い。

ストーリーも全然ちゃんと考えてないんすよ。

ふんわりしてる。

最初にアル・パチーノがクルーニー軍団の一員のおっさんをだますとこも

騙してるんじゃなくて

ただたんに暴力で脅してサインさせただけで

全然芸がない。

罠をはって騙したんじゃなくて

てめえ、サインしろや、殴るぞって脅して

サインさせただけなんすよ。

なんじゃこりゃ。

爺はなんでサインしたんだか。

それでその復讐でジョージ・クルーニー軍団が集結。

アル・パチーノのカジノホテルを壊滅させる作戦を実行していくってわけさ。

やる気があるんだかないんだか、

頭がいいんだか、アホなのか、

危ないのかあぶなくないのか

なんなのかよくわからんけども、

のんびりムードで作戦は着々と進み

特になんの問題もなく成功。

完。

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『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』を観た【映画】ライアン・ゴズリングxデレク・シアンフランス監督による父と息子ミステリーなドラマ



プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

これは己が何者であるかを知る平穏を描いた映画っすかね。

何者であるかというか、

何代もの親から子へと脈々と続いてきた流れのなかの

一部であると認識できて

初めて心の平穏を知るみたいな話。

デイン・デハーンが自転車を走らせるシーンの爽快感。

修理工場に行って

父親がどんな奴だったかを知って

その帰り道の自転車のシーンの晴れやかな感じがなんともいえない。

2つの人生の話なんすよ。

バイク強盗の男と

その男を撃ち殺した警官の男。

そこから時が流れてそいつらの息子の話になる。

バイク男を演じているのがライアン・ゴズリングなんすけど、

いやー、雰囲気ありますねえ。

移動遊園地でバイクの曲乗りやってる流れ者なんすけど、

Tシャツとかだるんだるんのずるずるで

もはやただのボロ切れを体に巻いてる状態なんすけど、

いやー、かっこいいんすよ。

いかにも危ない男の魅力といいますか、

普通の勤め人にはないオーラを放ってる。

だから女にももてるんすけど、

流れ者なので一夜の恋を各地で繰り返してるだけで

家族とか平穏な家庭とか

そういうのとは無縁の生き方をしてるわけ。

それがある土地で関係のあった女が

自分の子供を生んで育ててると知って

おれはここで家族と一緒に暮らしいくと決めるのだが

そういう生き方を知らないゴズリングは

金を稼ぐために銀行強盗を始める。

バイクめっちゃ速いので追ってくるパトカーが追いつけない。

女はそういう生き方ができる男じゃないとわかってるので

別の男と一緒になってんすけど、

ライアン・ゴズリングは、いや、俺と一緒に暮らそうと

もうそれしか頭にない。

一方、警官役はブラッドリー・クーパー。

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『プライド 運命の瞬間』を観た【映画】東條英機を通して東京裁判を描いた戦争ドラマ



プライド 運命の瞬間

東條英機を主軸に東京裁判を描いたドラマ。

なんかインドの話もけっこうな時間を使って描いてありました。

よくわからんけども、

各国から集まった判事は、戦犯にみな死刑判決を出したけども、

インドの判事だけは、

戦勝国が戦敗国を裁くことに正当性があるのかと

疑問をていして無罪判決を出したらしい。

それでインドのことも描いてあるのかなあ。

この映画が観客に問うのはまさにそのこと。

戦争したということを罪として裁けるのかということ。

戦場で敵国兵士を殺させた、国民を死なせた、

それが戦争が終わって罪に問われ

裁かれるのであるのなら、

戦勝国でも戦争を始めた、加担したものが

裁かれなければならなくなる。

民間人を爆撃することや

原爆で無差別に殺人することは裁かれるのかと。

でも戦争に勝った側は裁かれない。

負けた側は裁かれる。

そこに違和感を感じないだろうかという問いかけ。

確かに違和感は感じる。

勝った側が負けた側を好き勝手にいじるというだけの場を

裁判という公正な場のように装ってることに。

有罪で処刑されることは決まってるのに

手続きとして裁判をやってる。

判決ありきの法廷のむなしさ。

そういうのは感じましたねえ。

東條英機って悪玉として描かれるけど、

実際どうなんすかねえ。

陸軍を暴走させて戦争を始めた悪の親玉風に言われるけども、

それは責任追及が天皇までいかないようにするためであったと。

あとよくあるのが、

山本五十六とか他の軍人は戦争反対だったけど、

東條英機が聞く耳持たずに強引に戦争を続けたみたいなやつ。

あれも実際どうなんすかねえ。

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IKEAの『マスタードMustard(SENAP MILD)』は辛くない。むしろ甘い【食】



「IKEAのSENAP MILD マイルドマスタード」

マスタードは洋辛子だと思っていました。

マスタードはてっきり辛いものと。

IKEAのマイルドマスタードは辛くない。

辛くないどころか、

むしろ甘い。

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『日輪の遺産』を観た【映画】浅田次郎原作、堺雅人主演で描く戦争ミステリードラマ



日輪の遺産

うーむ、解せぬ。

まず、堺雅人の演技。

ずっと酸っぱいものを食べたみたいな表情をしている。

もしくは眩しいのを我慢しているみたいな表情。

おかしい。

ずっとその顔なのです。

どういうことなのか。

酸っぱいものを食べた、

もしくは堺雅人のものまねをしている人みたいな

表情というかね。

とにかく変な演技をずっとしているのです。

芝居がかった演技といいますか、

一本調子の演技といいますか。

どういう意図でああいう演技をしたのか解せぬ。

まあ、堺雅人はいつもニヤケ顔してるのが特徴なんすけど、

なんかこの映画での堺雅人の演技には

すごく違和感を感じたなあ。

もう一つ解せないのはストーリー。

死んで人を動かすというのはどうかと思う。

死んで見せても人は動かない。

生きて影響を与え続けなければ

人は動かないと思うので、

この映画の中で少女たちや大蔵省のエリートが

死ぬことでマッカーサーを動かしたみたいな

描写があるのがよくわからない。

死んだらどうにかできる、

死んだら責任をとれる、

そういうのは旧態依然とした古い考え方で

正しくはないと思うんすけど、

それと同じことを

未来の担い手、日本の希望である少女たちにさせたり

戦後復興のためにやらなければならないことが

たくさんあるだろう頭のいい秀才エリートの男にさせたりする

ことの違和感。

そうなってしまうことの悲劇を描くんじゃなくて

それで人が動いて

彼らの死は無駄じゃなかったみたいな描き方してるのが

どうなんだろなと思ったけどなあ。

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『メイジーの瞳』を観た【映画】離婚を6歳の娘の視点から描くヒューマンドラマ



メイジーの瞳

離婚映画。

喧嘩ばかりの夫婦が離婚することになって

親権争いをしてという話を

一人娘のメイジーの視点で描いていく。

母親役のジュリアン・ムーアはハードロックバンドのボーカルです。

父親はアート作品のブローカーやってる。

二人共、ツアーやレコーディングや買い付けやらなんやらで

普通の勤め人とは違って

スケージュールが一定しない。

急に仕事が入ったり用事ができたりで

ゆっくり家で娘の相手をしてられない人たちです。

だから夫婦仲はめちゃくちゃ悪い。

お互いが我の張り合いをして、

お互いが相手を非難する。

相手の事情を理解して受け入れるということをまったくしない。

だから離婚ってことになるんすけど、

娘をどうするかということで

またモメるわけです。

夫婦生活は、相手が悪いから失敗したけども、

俺は良い父親だ、

私は良い母親だ、

そこは譲れないってわけで親権争いするわけですけども、

肝心の娘の世話を二人共しないわけです。

仕事が忙しい人達ですから。

二人とも良い親ではないし、

そうなれないことはわかってるんだけど、

そこを認められないんすねえ。

失敗したということを認められない。

ふたりともけっこうなやり手なんすよ。

裕福な暮らしぶりからすると、

今まで自分の力でうまくやって

成功してきた人たちのようです。

だから、失敗をうまく認められない。

負けたことがないから

負け方を知らないみたいな。

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『11ミリオン・ジョブ』を観た【映画】リアム・ヘムズワースとドウェイン・ジョンソン共演によるアメリカ史上最高金額の1,100万ドル強奪を描いたクライムアクション



11ミリオン・ジョブ

ぐだぐだ。

ずるずるのどんずべり。

被害額1,100万ドルの実際に起きた現金強奪事件の話なので

けっこう期待するんだけど、

中身はひどいもんです。

スリルあるクライムサスペンスでもなく、

ぴりっとした人間ドラマでもなく、

なんともメリハリのない

ヌボっとした仕上がり具合で見どころがないのです。

刑事はドウェイン・ジョンソンで

主役の犯人はクリス・ヘムズワースか~、

なかなか豪華だなとおもいきや、

クリスだと思ってたのはリアム・ヘムズワースで

クリス・ヘムズワースの弟だった。

クリス・ヘムズワース、顔変わったなあ、

なんか微妙に薄味の顔になったねなんて思って見てたんすよ。

そりゃ違う顔のはずだ。

兄弟だから同じ系統の顔ではあるけども、

ぼんやり見過ぎでしたなあ。

役名はクリスでややこしいなあ。

そんなぼんやり見になるのも致し方ないぬるさですけどね。

なぜこんなゆるゆるぬるぬる映画になるのか。

まあ、現金輸送の会社の警備がゆるゆるな上に

犯人の頭もゆるゆるで

FBIもゆるゆるとくれば

映画がしまりのないガバガバ映画になってしまうのも致し方ない。

地元刑事のドウェイン・ジョンソンだけが

けっこう真剣にやってましたけど

それも顔だけが真剣でそれほど真剣じゃないみたいな。

そもそもがこのあらすじだったら、

コメディとして作ったほうがいいように思ったけどなあ。

シリアスにやっても仕方がないような展開なんすよ。

リアム・ヘムズワースは現金輸送の警備会社で働き始める。

そしたら、そこの現金管理のいい加減さを知って

金をいくらかちょろまかすのです。

ほんとに管理がいい加減なんすよ。

集金した金を倉庫に放り込んでるだけで

ろくに数えもしないという杜撰な管理がされてるわけ。

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